2026年11月05日

交通事故に遭ったあと、首や腰だけでなく、肘(ひじ)に痛みが現れることがあります。
「追突事故のあとから肘が痛い」
「事故の翌日になって肘が腫れてきた」
「肘を曲げ伸ばしすると痛みがある」
「レントゲンで骨折はないと言われたけれど、痛みが続いている」
このようなお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
交通事故では、車内のドアや肘掛けなどに肘をぶつけたり、自転車・バイクで転倒した際に手をついたりすることで、肘に強い力が加わる場合があります。
その結果、打撲や捻挫だけでなく、骨折や靱帯損傷などが生じることもあります。
特に、肘が大きく腫れている場合や、曲げ伸ばしが難しい場合には、骨折などのけがが隠れている可能性があるため注意が必要です。
今回は、交通事故後に肘が痛くなる原因、考えられるけが、検査・治療・リハビリテーションについて、わかりやすく解説します。
目次
1.交通事故後に肘が痛くなるのはなぜ?
2.交通事故で肘を痛める主な原因
3.交通事故後の肘の痛みで考えられるけが
4.事故の翌日から肘が痛くなることはある?
5.肘の痛みで注意したい症状
6.レントゲンで異常がなくても骨折していることはある?
7.整形外科ではどのような診察・検査をする?
8.交通事故後の肘の痛みはどう治療する?
9.肘のけがとリハビリテーション
10.日常生活で気をつけたいこと
11.交通事故による肘のけがと治療費
12.おおたき整形外科 都島院の交通事故診療
13.よくある質問
14.まとめ
1.交通事故後に肘が痛くなるのはなぜ?
交通事故では、衝突や急停車などによって身体に急激な力が加わります。
その際、肘を直接ぶつけたり、手をついた際の衝撃が肘に伝わったりすることで、肘の関節や周囲の組織を痛める場合があります。
肘は、上腕骨・橈骨・尺骨という3つの骨によって構成される関節です。
物を持つ、食事をする、着替える、ドアを開けるなど、日常生活のさまざまな動作に関係しています。
交通事故によって肘の骨や靱帯、筋肉などが傷つくと、痛みや腫れ、動かしにくさなどが現れることがあります。
交通事故後の肘の痛みは、単なる打撲とは限りません。
症状が続く場合には、整形外科で適切な診察を受けることが大切です。
2.交通事故で肘を痛める主な原因
① 車内で肘をぶつける
自動車の衝突時に、肘をドアや肘掛けなどにぶつけることで、打撲や骨折などが起こる場合があります。
肘の外側や内側、後ろ側など、衝撃を受けた場所に痛みが現れることがあります。
② 転倒した際に手をつく
自転車やバイク、歩行中の交通事故では、転倒した際に手をつくことがあります。
手のひらから加わった衝撃が肘に伝わり、骨折などが生じる場合があります。
特に、肘の外側にある橈骨頭という部分の骨折は、転倒して手をついた際などに起こることがあります。
③ 肘が不自然な方向に動く
事故の衝撃によって肘が強く伸ばされたり、ねじれたりすると、靱帯などを損傷する場合があります。
④ 強い衝撃による関節の損傷
大きな衝撃が加わった場合には、骨折や脱臼などが生じることもあります。
事故後に肘の痛みがある場合には、どのような事故で、どこに衝撃が加わったのかを医師に伝えることが重要です。
3.交通事故後の肘の痛みで考えられるけが
交通事故後の肘の痛みには、さまざまな原因があります。
① 肘関節打撲
肘を直接ぶつけることで、皮膚の下の組織や筋肉などが傷ついた状態です。
主な症状には、肘の痛み、腫れ、皮下出血などがあります。
ただし、強い衝撃が加わっている場合には、骨折などが隠れている可能性もあります。
② 肘関節捻挫
肘の関節に不自然な力が加わり、靱帯などが傷ついた状態です。
肘の痛みや腫れ、動かしにくさなどが現れることがあります。
損傷の程度によっては、固定などの治療が必要になる場合もあります。
③ 橈骨頭骨折(とうこつとうこっせつ)
橈骨頭は、肘の外側にある骨の一部です。
転倒して手をついた際などに骨折することがあります。
主な症状には、次のようなものがあります。
骨折のずれが少ない場合には、初期のレントゲン検査で確認しにくいこともあります。
④ 肘頭骨折(ちゅうとうこっせつ)
肘頭は、肘の後ろ側にある骨の出っ張った部分です。
肘を直接強くぶつけたり、転倒したりすることで骨折する場合があります。
肘の後ろ側の痛みや腫れが現れ、肘を伸ばしにくくなることがあります。
骨折の状態によっては、手術が必要になる場合もあります。
⑤ 肘関節脱臼
強い衝撃によって、肘の関節を構成する骨の位置がずれるけがです。
強い痛みや腫れ、明らかな変形などが現れることがあります。
神経や血管の損傷を伴う可能性もあるため、速やかな医療機関での対応が必要です。
肘の変形がある場合には、自分で元に戻そうとせず、救急医療機関を受診してください。
4.事故の翌日から肘が痛くなることはある?
交通事故直後には肘の痛みが目立たなくても、数時間後や翌日になって症状に気づく場合があります。
例えば、
「事故当日は首の痛みが気になっていた」
「翌朝から肘が腫れてきた」
「仕事で腕を使うと肘が痛い」
といった場合です。
事故直後は、ほかの部位の痛みや緊張などによって、肘の違和感に気づきにくいこともあります。
また、時間の経過とともに腫れが目立つようになり、動かした際の痛みを自覚する場合もあります。
ただし、翌日から痛みが現れたからといって、必ず軽いけがとは限りません。
骨折や靱帯損傷などが隠れている可能性もあるため、症状がある場合には早めに整形外科を受診しましょう。
5.肘の痛みで注意したい症状
交通事故後に次のような症状がある場合には、骨折や脱臼、神経・血管の損傷などが疑われることがあります。
特に、明らかな変形、指先の色や温度の異常、強いしびれ、開放創などがある場合には、速やかな救急受診が必要です。
また、痛みや腫れが急激に強くなる場合にも、早急な評価が必要です。
6.レントゲンで異常がなくても骨折していることはある?
はい。骨折の種類や状態によっては、受傷直後のレントゲン検査で骨折が確認しにくい場合があります。
例えば、ずれの少ない橈骨頭骨折などでは、骨折線がはっきり見えないことがあります。
そのため、レントゲン検査で明らかな異常がなくても、診察所見から骨折が疑われる場合には注意が必要です。
こんな症状が続く場合は再診を
必要に応じて、再度レントゲン検査を行ったり、CT検査などを検討したりする場合があります。
「レントゲンで異常がない=骨折がない」とは限らないため、症状が続く場合には再診が大切です。
7.整形外科ではどのような診察・検査をする?
交通事故後の肘の痛みに対しては、事故の状況や身体の状態を確認し、必要な診察・検査を行います。
問診
まず、次のような内容を確認します。
身体の診察
肘の腫れや圧痛、関節の動きなどを確認します。
また、必要に応じて手や指の感覚、筋力、血流なども確認します。
レントゲン検査
骨折や脱臼などが疑われる場合には、レントゲン検査を行うことがあります。
CT・MRI検査
レントゲン検査では確認しにくい骨折や、靱帯などの損傷が疑われる場合には、CT検査やMRI検査を検討することがあります。
これらの検査は、すべての患者様に必要というわけではありません。
症状や診察所見を踏まえて、医師が必要な検査を判断します。
8.交通事故後の肘の痛みはどう治療する?
治療方法は、けがの種類や重症度によって異なります。
① 安静・固定
骨折や靱帯損傷などがある場合には、患部を保護するために、装具やシーネ、ギプスなどで固定することがあります。
固定の必要性や期間は、けがの状態によって異なります。
② 薬物療法
痛みや炎症を抑える目的で、医師が必要に応じて鎮痛薬などを処方する場合があります。
③ 手術療法
骨折のずれが大きい場合や、関節の不安定性が強い場合などには、手術が必要になることがあります。
その場合には、専門的な治療が可能な医療機関での対応が必要です。
④ リハビリテーション
けがの状態に応じて、肘の動きや筋力を回復させるためのリハビリテーションを行う場合があります。
ただし、骨折や重い靱帯損傷がある状態で、自己判断によって無理に動かすことは避けましょう。
9.肘のけがとリハビリテーション
肘は、日常生活で腕を動かす際に重要な役割を担っています。
例えば、次のような動作です。
交通事故によって肘を痛めると、こうした動作に支障が生じる場合があります。
また、肘はけがや固定などの影響によって、関節が硬くなることがあります。
そのため、医師が適切と判断した場合には、治癒状況に合わせたリハビリテーションを検討します。
関節の動きを確認する
肘がどの程度曲がるか、伸びるか、前腕を回す動作ができるかなどを確認します。
日常生活で困っている動作を確認する
「顔を洗うときに肘が痛い」
「物を持つと痛みが出る」
「肘が最後まで伸びない」
など、患者様が日常生活で困っている動作を確認します。
状態に合わせた運動を行う
医師の指示のもと、必要に応じて関節の動きを改善する運動や、筋力を回復させる運動などを検討します。
ただし、骨折や靱帯損傷などの状態によっては、運動の開始時期や負荷に制限が必要です。
リハビリテーションは、痛みを我慢して無理に行うのではなく、医師の判断に基づいて進めることが大切です。
10.日常生活で気をつけたいこと
痛みがある動作を無理に続けない
肘に痛みがある場合には、重い物を持つ、強く押す、手をつくなどの動作を無理に続けないようにしましょう。
固定の指示を守る
骨折や靱帯損傷などで固定が必要と判断された場合には、医師の指示に従って使用してください。
自己判断で強いストレッチをしない
肘が動かしにくいからといって、無理に曲げ伸ばしを行うことは避けましょう。
特に、骨折や靱帯損傷などがある場合には、状態を悪化させる可能性があります。
痛みや腫れの変化を確認する
痛みや腫れが強くなる場合や、新たにしびれが現れた場合には、医療機関へ相談してください。
11.交通事故による肘のけがと治療費
交通事故によって肘を負傷した場合、事故の状況や保険会社の対応によって、治療費の取扱いが異なります。
例えば、相手方の任意保険会社が治療費の一括対応を行う場合には、保険会社から医療機関へ直接治療費が支払われることがあります。
一方で、保険会社による一括対応が開始されていない場合などには、患者様による一時的な立替払いが必要になることもあります。
また、通勤中や業務中の交通事故では、労災保険の対象となる場合があります。
交通事故の治療費は、事故の状況や利用する保険制度によって取扱いが異なるため、受診時にご相談ください。
12.おおたき整形外科 都島院の交通事故診療
おおたき整形外科 都島院では、交通事故による首や腰の痛み、むちうち、肩・肘・手首などのけがについて診療を行っています。
事故の状況や症状を確認し、必要に応じて検査や治療を検討します。
また、医師が適切と判断した場合には、理学療法士によるリハビリテーションにも対応しています。
「交通事故後から肘が痛い」
「肘を曲げ伸ばしすると痛みがある」
「事故の翌日から肘が腫れてきた」
「肘のけがのリハビリについて相談したい」
このようなお悩みがある方は、ご相談ください。
なお、骨折や脱臼などが疑われる場合には、必要に応じて専門的な治療が可能な医療機関をご案内します。
おおたき整形外科 都島院
所在地:大阪府大阪市都島区毛馬町2丁目10-33
アクセス:JRおおさか東線「城北公園通駅」から徒歩約5分
電話番号:06-6922-0450
大阪市都島区・毛馬町・城北公園通駅周辺で、交通事故後の肘の痛みにお困りの方は、お気軽にご相談ください。
13.よくある質問
Q.交通事故後に肘が痛いのですが、打撲でしょうか?
肘の痛みは、打撲だけでなく、捻挫や骨折、靱帯損傷などによって起こる場合があります。
痛みや腫れがある場合には、整形外科で適切な診察を受けましょう。
Q.事故直後は痛くなかったのに、翌日から肘が痛くなることはありますか?
はい。事故直後には気づかなかった痛みや腫れが、時間の経過とともに目立つ場合があります。
ただし、骨折などが隠れている可能性もあるため、症状がある場合には早めに受診しましょう。
Q.レントゲンで異常がないと言われましたが、肘の痛みが続いています。
初期のレントゲン検査で確認しにくい骨折や、靱帯損傷などが隠れている場合があります。
痛みが続く場合には、再診して医師に相談しましょう。
Q.肘を伸ばすと痛い場合、どのようなけがが考えられますか?
打撲や捻挫のほか、橈骨頭骨折などが考えられます。
症状だけで原因を判断することは難しいため、診察が必要です。
Q.交通事故後に小指や薬指がしびれることはありますか?
肘の内側を通る尺骨神経などに影響がある場合には、小指や薬指にしびれが現れることがあります。
ただし、首の神経などが原因となる場合もあるため、診察による確認が必要です。
Q.肘のけがでもリハビリテーションはできますか?
けがの状態によっては、リハビリテーションが治療の選択肢となります。
ただし、骨折や靱帯損傷などがある場合には、適切な固定や治療が優先されることがあります。
医師の判断に基づいて、リハビリテーションの必要性や開始時期を検討します。
14.まとめ|交通事故後の肘の痛みは早めに整形外科へ
交通事故では、首や腰だけでなく、肘にもけがが生じる場合があります。
肘の痛みには、打撲や捻挫だけでなく、橈骨頭骨折や肘頭骨折、靱帯損傷などが隠れていることもあります。
特に、肘が大きく腫れている場合や、曲げ伸ばしが難しい場合には、骨折などの可能性に注意が必要です。
また、レントゲン検査で異常が確認できなかった場合でも、痛みが続くときには再診が重要です。
交通事故後に肘の痛みや腫れ、しびれなどがある場合には、自己判断で放置せず、整形外科で適切な診察を受けましょう。
おおたき整形外科 都島院では、交通事故による身体の痛みやけがについて診療を行っています。
大阪市都島区・毛馬町・城北公園通駅周辺で、交通事故後の肘の痛みにお困りの方は、ご相談ください。
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第9回:交通事故でレントゲンは異常なし。でも首や腰が痛いのはなぜ?
第17回:交通事故後に手首・指が痛いのはなぜ?捻挫・骨折の可能性や治療・リハビリを整形外科が解説
この記事の監修

おおたき整形外科
院長 大瀧 隆博
「病気やけがを治療することはもちろん、患者様に少しでも笑顔になっていただき、人と人とのつながりや温かさを感じていただける診療を心がけています。
医療という枠だけにとらわれず、スタッフはもちろん、患者様も『自分らしく』いられるような、安心して過ごせる空間づくりを大切にしています。
お身体の痛みや不安、お困りごとがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。」