2026年10月08日

交通事故によるけがで整形外科に通院している途中、保険会社から突然、
「そろそろ治療を終了してください」
「来月から治療費の支払いを終了します」
と伝えられたら、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
特に、むちうちによる首の痛みや腰痛、手足のしびれなどが残っている場合は、「まだ痛いのに通院をやめなければいけないの?」と悩まれることもあるでしょう。
ここで知っておいていただきたいのは、保険会社による治療費の支払い終了と、医学的に治療が必要なくなったという判断は、必ずしも同じではないということです。
今回は、交通事故の治療費について打ち切りの連絡があった場合に確認したいこと、症状が残っている場合の対応、整形外科での治療継続についてわかりやすく解説します。
目次
1.交通事故の治療費の「打ち切り」とは?
交通事故の治療では、相手方の任意保険会社が医療機関へ直接治療費を支払う「一括対応」と呼ばれる方法が利用されることがあります。
この場合、患者様が窓口で治療費を立て替えることなく診療を受けられるケースがあります。
しかし、通院を続けている途中で保険会社から、医療機関への直接支払いを終了する旨の連絡が入ることがあります。
一般的に、これを「治療費の打ち切り」と呼ぶことがあります。
ただし、直接支払いが終了することと、医師が治療終了と判断することは別の問題です。
保険会社から連絡があった場合も、まずは現在の症状や治療の必要性について担当医へ相談することが大切です。
2.なぜ保険会社から治療終了の連絡が来るの?
保険会社から治療終了について連絡がある背景には、さまざまな事情があります。
例えば、事故から一定期間が経過していること、治療経過や症状の変化、保険会社による支払いの判断などが挙げられます。
しかし、交通事故によるけがの回復には個人差があります。
同じような追突事故でも、首や腰の痛みが比較的早く改善する方もいれば、症状が長引く方もいらっしゃいます。
「事故から何か月経過したから、すべての患者様が治療終了になる」という医学的な一律の基準があるわけではありません。
治療を継続する必要があるかどうかは、症状や診察所見、これまでの経過などを踏まえて医師が判断します。
3.治療費の支払いが終了したら通院できない?
いいえ。保険会社による直接支払いが終了しても、医学的に治療が必要な場合は、支払い方法を確認したうえで通院を継続できることがあります。
例えば、次のような症状が残っている場合です。
こうした症状がある場合は、現在の身体の状態を担当医に伝え、治療の必要性について相談しましょう。
なお、通院を継続できることと、その費用が最終的に保険で補償されることは別です。費用負担についても確認する必要があります。
4.まだ痛みがある場合はどうすればいい?
まずは担当医へ症状を相談しましょう
保険会社から治療費の支払い終了を伝えられた場合、まずは担当医へ現在の症状を詳しく伝えることが大切です。
「首を左右に動かすと痛い」
「長時間座っていると腰がつらい」
「仕事中に腕のしびれが出る」
など、日常生活でどのような支障があるのかも具体的に伝えましょう。
医師は診察所見や治療経過を踏まえ、治療を継続する必要性があるかを判断します。
保険会社にも現在の状況を伝えましょう
治療の必要性について医師と相談したうえで、保険会社へ現在の症状や治療状況を説明し、直接支払いの継続について確認することも考えられます。
ただし、保険会社が必ず支払いを継続するとは限りません。
支払いについて見解が異なる場合は、交通事故に関する相談窓口や弁護士など、適切な専門家への相談を検討することもできます。
5.治療を継続する場合の費用はどうなる?
保険会社による直接支払いが終了した後も通院を続ける場合、治療費の支払い方法を確認する必要があります。
状況によっては、次のような方法が考えられます。
健康保険を利用する
交通事故によるけがでも、一定の条件のもとで健康保険を利用できる場合があります。
ただし、仕事中や通勤途中の事故など、労災保険の対象となる場合は取り扱いが異なります。
健康保険を利用する場合には、加入している保険者への「第三者行為による傷病届」などの手続きが必要になることがあります。
自費で治療を継続する
健康保険を利用できない場合などには、自費での診療となることもあります。
その場合、治療費をいったん患者様が負担する可能性があります。
自賠責保険への請求を検討する
交通事故の状況によっては、被害者が自賠責保険へ直接請求する方法もあります。
ただし、請求した治療費がすべて認められるとは限りません。
自賠責保険の傷害部分の支払限度額は、治療費だけでなく休業損害や慰謝料なども含め、被害者1人につき120万円です。
国土交通省
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治療継続を希望する場合は、医療上の必要性と費用負担の両方を確認することが大切です。
6.「症状固定」とは?治療費の打ち切りとの違い
交通事故の治療では、「症状固定」という言葉を耳にすることがあります。
症状固定とは、症状が安定し、医学的に一般に認められた治療を続けても、それ以上の治療効果が期待しにくくなった状態を指します。
国土交通省も、症状固定は医師が判断するものと説明しています。
国土交通省
ここで重要なのは、次の違いです。
つまり、保険会社から治療費の支払い終了を伝えられたからといって、その時点で必ず症状固定になるわけではありません。
一方、症状固定と判断された場合には、事故による傷害の治療費として補償される範囲も変わってきます。
症状が残っている場合には、担当医と十分に相談しましょう。
7.自己判断で通院をやめない方がよい理由
交通事故後の首や腰の痛みは、回復するまでの経過に個人差があります。
日本整形外科学会でも、外傷性頚部症候群では、首の痛みや肩こり、頭痛、手のしびれなどが長引く場合があると説明しています。
日本整形外科学会
痛みが残っているにもかかわらず、保険会社からの連絡だけを理由に通院を終了すると、その後の症状や治療の必要性について十分に確認できなくなることがあります。
ただし、必要以上に通院を続けることがよいわけでもありません。
通院の必要性や頻度は、医師による診察と身体の回復状況を踏まえて判断することが大切です。
8.保険会社から連絡があったときに確認したいこと
治療費の打ち切りについて連絡があった場合は、慌てずに次の内容を確認しましょう。
保険会社とのやり取りに不安がある場合は、国土交通省が案内する交通事故相談窓口などを利用する方法もあります。
また、治療費の補償や示談など、法律上の判断が必要な場合は、弁護士などの専門家へ相談することも検討しましょう。
9.おおたき整形外科 都島院の交通事故診療
おおたき整形外科 都島院では、交通事故によるむちうち、首や腰の痛み、手足のしびれなどについて診療を行っています。
医師が事故の状況や現在の症状を確認し、必要に応じて検査を実施したうえで治療方針を検討します。
また、症状や身体の状態に応じて、医師の指示のもと、理学療法士によるリハビリテーションにも対応しています。
「保険会社から治療終了と言われたけれど、まだ首が痛い」
「腰痛が続いているので、治療が必要か相談したい」
「今後の通院について医師の判断を聞きたい」
このようなお悩みがある方も、まずはご相談ください。
当院は大阪市都島区毛馬町にあり、JRおおさか東線「城北公園通駅」から徒歩約5分です。
10.交通事故の治療費打ち切りについてよくある質問
Q.保険会社から治療終了と言われたら、必ず通院をやめなければいけませんか?
いいえ。保険会社による直接支払いの終了と、医学的な治療終了は必ずしも同じではありません。
症状が残っている場合は担当医に相談し、治療継続の必要性と費用負担について確認しましょう。
Q.まだ首や腰が痛い場合は、治療を続けられますか?
医師が治療を必要と判断した場合には、支払い方法を確認したうえで通院を継続できることがあります。
ただし、継続した治療費が保険会社から補償されるかどうかは別途判断されます。
Q.治療費の打ち切りは事故から3か月で決まるのですか?
いいえ。すべての交通事故について、3か月で治療を終了しなければならないという一律の医学的基準はありません。
症状やけがの状態、治療経過などによって異なります。
Q.健康保険に切り替えて通院できますか?
交通事故によるけがでも、健康保険を利用できる場合があります。
ただし、保険者への届出などが必要になることがありますので、事前に確認しましょう。
Q.症状固定と言われたら、痛みが残っていても治療できませんか?
症状固定は、痛みが完全になくなったという意味ではありません。
症状固定後も、医学的に必要な診療を受けることはできます。ただし、その治療費が交通事故の賠償対象として認められるかどうかは別の問題です。
国土交通省
11.まとめ|治療費の打ち切りを伝えられたら、まずは医師へ相談を
交通事故の治療中に保険会社から治療費の打ち切りを伝えられると、不安になる方もいらっしゃると思います。
しかし、保険会社による直接支払いの終了と、医学的に治療が必要なくなったことは同じではありません。
大切なのは、現在の症状や身体の状態を担当医に相談し、治療を継続する必要があるかどうかを確認することです。
また、治療を継続する場合には、健康保険や自費診療など、費用負担についても事前に確認しましょう。
おおたき整形外科 都島院では、交通事故後の痛みやしびれ、リハビリテーションについてご相談いただけます。
交通事故後の症状でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
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第3回:交通事故の「むちうち」とは?症状・検査・治療・リハビリを解説
第9回:交通事故でレントゲンは異常なし。でも首や腰が痛いのはなぜ?
この記事の監修

おおたき整形外科
院長 大瀧 隆博
「病気やけがを治療することはもちろん、患者様に少しでも笑顔になっていただき、人と人とのつながりや温かさを感じていただける診療を心がけています。
医療という枠だけにとらわれず、スタッフはもちろん、患者様も『自分らしく』いられるような、安心して過ごせる空間づくりを大切にしています。
お身体の痛みや不安、お困りごとがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。」